「たねがしま未来ワークショップ2026」に参加しました

公開日 2026年09月03日(Thu)

 8月26日(火)、島内の中高生を対象とした「たねがしま未来ワークショップ2026」が開催され、本校からは2年1組と1年2組の希望生徒が参加しました。

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 このワークショップは、将来の姿から今を考える「バックキャスティング」をキーワードにしています。参加した生徒たちは「2050年の未来の市長・町長に就任した」という設定のもと、持続可能な種子島にするために「2026年の今、何を行うべきか」というミッションに挑み、具体的な解決策を考えました。

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 前半の授業では、大学の研究グループや、卒業後に島外で活動する学生団体「のらねこ」の皆さんから、データに基づいた種子島の未来の課題や脱炭素に向けた取り組み、卒業後の島との関わり方について説明していただきました。

 まず、「たねがしま未来カルテ2050」の講義では、人口が2020年の約6割弱に減少し、高齢化が進んで約半分が65歳以上になるというデータが示されました。さらに、農業従事者が半減することや、空き家率が50.9%に達すること、公共施設・道路の維持費による財政悪化の予測を学びました。

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 続いて気候変動の影響について、100年で1.40℃の気温上昇が起こり、猛暑日や熱帯夜が過去最多となっていること、線状降水帯による大雨や台風の激甚化、特産品のお米や「たんかん」への栽培ダメージなど、科学的な予測を伺いました。

 このような現状に対し、サトウキビの製糖プロセスで出る「バガス」の燃料活用や、太陽光発電と電気自動車(EV)を組み合わせた「どんがタクシー」の運用など、島内で進む先進的な脱炭素の取り組みが紹介されました。また、学生団体「のらねこ」の先輩からは、島外へ進学後もオンラインや帰省時の活動(海のごみ拾いや特産品レシピ開発など)を通じて種子島に貢献し続けられること、大学でのあらゆる学びを「種子島」に繋げて探究できることを学びました。

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 後半のセッションでは、本格的なグループワークと提言発表が行われました。

 生徒たちは他校の中高生や大学生とともに全9グループに分かれ、アイデアを整理・統合する有名な手法である「KJ法」を使ったワークに取り組みました。まずは一人ひとりが、2050年の市長・町長として取り組みたいアイデアや島の課題を付せんに書き出していきました。続いて、グループ全員でその付せんを大きな用紙に貼り出し、お互いの意見を否定せずに「いいね!」と受け入れながら、似たアイデア同士をグループ分けして名前を付け、提言をまとめていきました。

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 提言発表会では、それぞれのグループが地域の課題を強みに変える独創的なアイデアを多数提案しました。なだらかな地形を活かして排ガスを出さずに観光を促す「エコ自転車ツアー」、災害時に楽しみながら避難を学びプール無料券などの特典がもらえる「避難所子供向けスタンプラリー」、失われつつある方言の価値を再発見してInstagramやTikTokで広める「種子島弁(方言)のSNSによるPR」などが注目を集めました。

 また、古い木を伐採して空き家のホテル改修木材に使い、地元の林業や大工の仕事を生み出して地域経済を循環させる「複数の課題を連携して解決する仕組み」など、非常に完成度の高い提案も行われました。このほかにも「ゴミの分別ポイント制度」、「太陽光エネルギーの船利用」、「安納芋狩りツアー」など、環境、観光、育児といった幅広い分野から豊かな未来へのアイデアが示されました。

 発表後の講評では、行政や専門家の先生方から温かいアドバイスをいただきました。

 西之表市の小山田 八重子副市長からは、提案された「避難所スタンプラリー」や「自転車ツアー」、「種子島弁の活用」といったユニークな発想へ高い評価をいただきました。また、グループで議論し島全体を俯瞰(ふかん)して考えることの重要性や、今後は世界中の仲間と議論を広げ、命や平和を大切にする姿勢へと繋げてほしいとの激励をいただきました。

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 中種子町教育委員会の鮫島 孝則教育長からは、町が抱える「空き家バンク」の運用難や「方言の衰退」といった実際の課題に触れながら、今回の提言の有効性を述べられました。教育行政の中でも地域の文化や方言学習を推進していく考えや、投票で多くの支持が集まった「ロケットマラソンの復活」への強い期待を示されました。

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 千葉大学大学院社会科学研究院の倉阪 秀史教授からは、それぞれの提案が「地域の弱みを強みに変えて新しい価値を生み出す」優れたものであったと総括をいただきました。さらに、2018年から継続しているこのワークショップを通じ、かつて高校生として参加したメンバーが今や大学生となり、ファシリテーターとして帰省して後輩をサポートしているという「世代間の美しい循環」が生まれていることへの称賛が贈られました。

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 今回のワークショップを通じて、生徒たちは客観的なデータから地域の未来を真剣に考える力を養い、異なる立場や世代の人々と対話することの大切さを学ぶことができました。提案された素晴らしいアイデアと、いただいた温かいお言葉を胸に、今後の学校生活や地域社会での探究学習をさらに深めていきたいです。